2025.05.01
相続

相続税の申告は早めの準備がカギ-不動産相続と税理士の役割

身近な家族が亡くなった後、相続人にとって避けて通れない手続きのひとつが「相続税の申告」です。相続税とは、亡くなった方(被相続人)の財産を相続や遺贈によって取得した人に課される税金で、現金や預貯金だけでなく、不動産も課税対象となります。中でも不動産は評価や分割が複雑で、相続全体の難易度を大きく左右します。

相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。この期限内に、財産の評価、遺産分割協議、申告書の作成・提出、そして納税までを済ませる必要があります。期限を過ぎると延滞税や加算税といった罰則が課されるため、早めの準備が重要です。

不動産の相続では、まずその評価が重要なポイントになります。国税庁が定める路線価や固定資産税評価額をもとに評価しますが、実際の市場価値とは異なるケースもあり、相続人同士での公平な分割が難しくなることも少なくありません。さらに、不動産には「小規模宅地等の特例」など評価額を減額できる制度もありますが、要件が厳しく、正しく適用するためには専門知識が求められます。

ここで欠かせない存在となるのが「税理士」です。税理士は財産評価の正確な判断はもちろん、控除の適用や申告書作成、節税対策まで幅広くサポートしてくれます。特に不動産が絡む相続では、税務だけでなく、将来的な売却や管理のリスクも含めたアドバイスが重要となるため、経験豊富な税理士の助言が極めて有益です。

また、相続税の納付方法にも注意が必要です。不動産が相続財産の大部分を占めるケースでは、現金での納税が難しくなることもあります。その場合は「物納」や「延納」といった制度の利用を検討することになりますが、これらも専門的な判断が必要となります。

相続税の申告は、財産を受け継ぐための手続きであると同時に、家族間の信頼関係や今後の資産管理にも大きな影響を与える重要な局面です。早い段階で税理士に相談し、不動産を含む全体像を把握した上で、的確かつ円滑な申告を目指すことが、安心・円満な相続の第一歩となるでしょう。

お問い合わせ

お電話・メールにて、お気軽にお問い合わせください

03-6427-8242
10:00~19:00(土日・祝祭日を除く)

お問い合わせフォーム