- 2025.06.25
- お知らせ
2025年度税制改正のポイントと企業経営への影響
2025年度の税制改正大綱が発表され、企業経営に関わる複数の重要な見直しが明らかになりました。特に中小企業やオーナー企業に影響の大きい改正ポイントを中心に、今後の経営戦略や実務対応への示唆をお届けします。
■ 資産課税の見直し:相続・贈与の一体課税が本格化
近年議論されてきた相続税・贈与税の一体化が、2025年度税制改正で制度として実装される方向です。
- 相続時精算課税制度の利便性向上: 基礎控除の見直しにより、早期贈与の活用が現実的に。
- 暦年贈与の縮小傾向: 年間110万円の非課税枠の扱いが段階的に見直される可能性。
実務への影響: 資産家オーナーや不動産保有会社では、贈与・移転のタイミング再検討が必要です。
■ 中小企業向け投資促進税制の拡充
中小企業経営強化税制が継続され、さらに強化される見通しです。
- 脱炭素・デジタル投資への優遇措置を強化
- AI・省力化設備なども対象に追加
実務への影響: 設備投資を計画している企業にとって、節税チャンスとなります。
■ 交際費課税の特例延長と範囲見直し
中小企業にとって関心の高い交際費課税の特例措置は延長予定ですが、一部見直しも検討されています。
- 現行:年間800万円まで損金算入可能
- 今後:支出区分の明確化やデジタル証憑の義務化も議論対象
実務への影響: 経費処理ルールや証憑管理体制の見直しが必要となる場合があります。
■ その他の注目ポイント
- インボイス制度: 小規模事業者向けの負担軽減措置は段階的に終了へ
- NISA制度: 福利厚生制度との連携にも注目
- 外形標準課税の見直し: 中堅企業への影響に留意
■ 今後の対応と備え
2025年度の改正は、単なる制度延長ではなく、企業の行動変容を促す内容が多く含まれています。税務のみならず、経営戦略・投資判断・事業承継への影響も大きく、事前の備えが不可欠です。
当社では、税制改正に関するご相談や、個別の試算・アドバイスも承っております。お気軽にお問い合わせください。
※ 本記事は2025年6月時点の情報に基づいています。最新の法令情報や個別の対応については、顧問税理士等にご確認ください。